もう20年も昔になるでしょうか。高齢の叔母に、私が大阪の仕事を全て終えて、故郷の家に帰って来た事を報告しに行ったのです。
叔母にしてみれば、自分の出里の家が、誰も居なくなって、もう消えるのでは無いかと思って居たけれど、末っ子の私が40年ぶりに帰って来て。復活すると言うのですから、安心もするし、嬉しかったのでしょう。
「よく来たよく来た」と喜んで、笑顔で迎えてくれました。その時の葛湯の甘さと金歯がキラリと光る笑顔は今も忘れて居ません。
寒波襲来との事で買って居たのでしょうか、珍しい葛湯が出て来たもので、はるかに昔の出来事を思い出して、こんな冒頭句となりました。
この叔母は長寿で確か96まで健在だったと思います。今般葛湯を差し出した人に笑顔があったかどうかは、定かでは有りませんが、似たような仕草で差し出した人にも、長寿を願うや切に!で有りました。明日の心でーす。