風ひとつ

田舎に吹く心地よい風を届けたい、そう願って

私が元気な間は!

 そう気軽に、いとも簡単に言ってくれた言葉に嘘は無い。それ故に非常に嬉しくて、5年10年まだ先も続くものと思っていたのです。

 そう、気のいい友人達の話です。1人は空港の近くで肥料やさんをしていました。叔父さんの会社を引継いだらしくて、大きなトラックが出入りする工場で有りました。f:id:kokohahurusatokazemakase:20200517080210j:image毎年夏に我が家で宴会をしていた頃に、庭先に育つミカンを眺めて、この肥料をやれば、しっかり実がなるからって、2袋持って来たのが始まりで、その後数年は、ナスや胡瓜が出来た頃に、私が、其れを持って行き、代わりに、肥料を貰って帰るパターンでした。f:id:kokohahurusatokazemakase:20200517080233j:image

 おかげで、我が家近辺では、思っても見ないほどしっかりとミカンが育ち、毎年たわわに実った温州蜜柑を美味しく食べられたのでした。

 そうですよね、その友人も、東日本の津波によって、会社が倒産、子どもさんの福祉施設を手伝っているのだとか、当然ですが、肥料の無料供給は10回に満たずに終わりです。残念だけど、どうにもならない事ですよね。f:id:kokohahurusatokazemakase:20200517080259j:image

 そうそう、その温州蜜柑も一本の木が、どうも様子が変で枯れて仕舞うかも知れません。時はいつしか流れたって事なのですネ。

 一方、こちらは女性で、百合を温室で大量に栽培して、京阪神に出荷する百合農家なのだけれど、孫さんを柔道場に送り迎えするついでに、我が家に立ち寄り、百合の球根を毎年50個くらい持って来て、今年も残りを持って来たよと笑っていたのです。そうコレもずうーっと続く様に思ってました。f:id:kokohahurusatokazemakase:20200517080329j:image

しかししかしです。ご主人が肺気腫になって、遂に、百合農家を卒業したとの事。モチロン百合の球根は、その後途絶えてしまったのです。

 いずれの友人も、私がやっている間は心配要らないよとの事でしたが、残念ながら10年は続きませんでした。仕方無いですよね、10年一昔ですものねえ。f:id:kokohahurusatokazemakase:20200517080349j:image

 でもマア、その善意の残り香が、我が家の庭を賑わしていると言う事で、それらを眺めて、友人達を思う朝でした。明日の心でーす。